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セビジャーナスとファンダンゴで大冒険したはなし

こんにちは。

歌っている際の顔芸が無闇に豊かなことに定評のあるかたいーぬです。

最近「歌っている際感情表現を顔芸に依存しすぎて肝心の歌に感情がほとんど乗っていない」というご指摘をいただきました。ぴぇ。

そんなしょうもない4回生の私ですが、ヨーロッパ留学中の利をフル活用して、最近またしてもアンダルシアに旅行してきました。

半年ぶり2度目。

前回以上に大冒険だったので部のブログに勝手にご報告させていただきます。

例によって冗長な文章ではありますが、決してアルコンおよびその他のネガキャンのつもりはありません、とだけ。

今回まず私はスペイン三大まつりのひとつ、セビージャの春祭りFeria de Abrilに参戦してきました。

フェリアの期間中はセビージャの街中あちこちで綺麗なTraje de Flamenca(マーメイド型のフェリア衣装)を着た女性と、それをエスコートするスーツ姿の男性が見られます。

本当に絵になる。

綺麗なお姉さんがえげつない高さのピンヒールを履いて、自分より背の低くなった男性を侍らせているのも素敵でしたし、中学生くらいの男の子がスーツを着て、彼女さんとおぼしきピンク色の衣装を着た女の子を少し緊張したような面持ちでエスコートしているのもいとあはれでした。

中心街から少し離れた会場にはカセータ(テント)が立ち並び、着飾った男女と豪奢な馬車が道を行き交います。

カセータは団体やリッチなお金持ちが個人的にパーティーするために設置したものがほとんどなので、通常招待状を持っていなければ入れません。

一方自治体による公営のカセータは誰でも入場できるので、私はまずそちらで遊んでいました。

基本的に私はぱーてぃーぴーぽーの素質を持ち合わせていない人間ですが、このときばかりは酔っぱらいの地元の方々に引き込まれて無駄なテンションで踊ったりおしゃべりしたり。

またセビを踊ってお酒を飲んでおしゃべりして、「あなた1人でフェリアに来たの?? 友達いないの?? 1人!? あぶなすぎよ!!」と注意されたりしました。

感覚的には「言葉のわからない国のクラブに単身で乗り込む」とほぼほぼ同じ状態だと思うので、実際あまりよくないんだろうなと思います。クラブ行ったことないけど。

公営のカセータを夜10時過ぎに退散し会場内を歩いていると、ひとつとても綺麗な内装のカセータを見つけました。

シャンデリア、マントン、ロシオ(聖母)の絵画、アバニコ…

そして何より、ほとんどのカセータがCD音源で踊り続けている中、そのカセータは生演奏でした。(後から聞いたところによるとAroma Flamencoというグループだそうです)

足を止めて遠目にそのカセータを眺めます。

するとラッキーなことに、ひとりおじさまが出て来て、そのカセータの中に誘ってもらえました…!

中ではセビを踊ったりレモヒート(マンサニージャをレモンの炭酸で割ったもの)を飲んだりハモンを食べたり大変楽しく過ごさせていただきました。

公営のカセータよりも圧倒的に人口密度が低く、床が綺麗で、絡んでくる酔っ払いが少ないのが嬉しかったです。

ちゃんと綺麗な格好しててよかった。

そしてこのカセータ、私が入った直後に市役所の人が来て、今年のフェリアの最優秀カセータCaseta Primeraに選ばれたとアナウンスしてました。やったね!

道で突然若い女の子集団に取り囲まれてカーネーションを押し売りされそうになるハプニングもありましたが、Feria de Abril、想像の数倍華やかでたのしいお祭りでした。

(アルコンのカセータ...!!!)

セビージャのフェリアの後には、ウェルバ県のアルモナステルという小さな村のお祭りも見に行って来ました。

もちろん目的はFandangos de Almonasterです。

アルモナステルはセビージャからバスで2時間ほどで着きます。

メスキータなどイスラム時代の建築物が残っているので、ど田舎の割には有名です。

今回も祭事にあわせて、観光客がちらほら来ていました。

自然にかこまれた素敵な村です。

たださすがにスペイン語のできない外国人観光客が来るような場所ではないですね。

これがこの村最大のお祭り、Cruz de Mayoです。

マントンとリボンがとってもかわいらしい。

アルモナステルには2つの宗教的な勢力(El Llano と La Fuente)があり、それぞれが村の別々の場所で十字架を掲げ祭事を行い、同じ教会へと十字架を納めます。

スペイン語で説明されたのでよく理解できなかったのですが、2つの勢力はお互い歌を競っているともききました。

写真は村の女性たちが伝統衣装を着て歌いながら行進している様子です。

上の写真には写っていませんが、縦笛、太鼓、タンバリンが特徴です。

(この行進中に歌っているのはファンダンゴではないです。何という曲種なのか村の人に尋ねたのですが、わからないと言われてしまいました)

Fandangos de Almonasterもばっちり聴いて参りました。

(すこし動画を撮ってあるので興味のある方一緒に観ましょう(笑))

個人的におもしろいなーと思ったのは、Fandangos del Cerro de Andevaloの有名なレトラに

San Benito es mi patrón...

っていう詞があるじゃないですか。Paco Isidroが歌ってるやつ。

あれをですね、El Llanoの人たちが"San Benito(地名)" "El Cerró(地名)"の部分を全部"El Llano"に替えて歌ってたんです。

よくある手法なのかはわかりませんが、ちょっとうふふとなりました。

(VIVA EL LLANO)

さて、この小さな村で私、セビージャからバカンスに来ていたおじさまおばさま方と仲良くなりました。

一緒にごはんを食べてお酒を飲んで歌って踊って…

セビのステップをばきばき直されました。

それから腕の位置が低いとめちゃくちゃ注意されました。

さすがセビージャ人、セビジャーナスに厳しい。

カンテ専門になって久しいんです…ってめちゃくちゃ言い訳したかったんですが、残念ながらそんなスペイン語能力は私にはなく、白目を剥きながらセビ講座を受けました。

結局3日間ほど、そのおじさまおばさま方に面倒を見ていただきました。

彼らの本拠地、セビージャ中心街から車で30分のLa Puebla Del Ríoにも連れて行ってもらい、アンダルシアライフ体験もちょっとだけしました。(常に食べるか飲むかしている生活でした。)

本当に何から何までよくしていただいて、感謝が深いです。

おばさん「うち娘がいてTraje de Flamenca(フェリア衣装)10着あるからひとつあげるよ」

私「!?」

(このサンダルはフェリアの際に履くものだそうです)

おばさま方は「今度はいつセビージャに戻ってくるの?次来る時はうちに泊まっていいからね、友達も連れてきなさい」と言ってくださるし、たまたま放り込まれたバイレ教室(2年ぶりくらいに踊りました...)の先生がウトレーラのPepa de Benitoと同じファミリア出身の方で、今度は一緒にウトレーラに連れて行ってあげると言ってくださるし、もう本当にまた来なきゃ…というかんじです。

もう今月中には日本に戻るので今回のように気軽にアンダルシア旅をするわけにはいかなくなりますが…

学生のうちにもう1度行けるかなぁ…行きたいなぁ…

...というわけで、今回もスペイン語がほとんどできないにも関わらず、なんだか大層な冒険をした気がします。

『知らない人について行ってはいけない』

『知らない人からものをもらってはいけない』

という幼少時に叩き込まれた大原則を見事に破ってしまってはいますが、まあ結果オーライということで…(笑)

地元の人にたくさん助けていただいたよい旅でした。(日本の恥を晒しまくった点については大変心苦しいですが。)

大冒険と言いつつも、道無き道を行くというよりはむしろ、周りの人が何故か舗装してくれた道をてけてけ辿っているようなかんじでしたね。

ラッキー!!

本当にひたすらラッキーを積み重ねまくった旅行なので、ここで運を全て使い果たして日本へ帰国する際の飛行機が墜落する可能性も指摘されています。ちょっと心配。

そして最後になりましたが、事前にアドバイスをくださった先輩方にも、マラガで一緒にごはんを食べてくれた後輩にも、不審なアジア人をめいっぱい助けてくれたセビ―ジャやアルモナステルの人たちにも、心より感謝しております。

ありがとうございました。

またアンダルシアに行きたいですし、それまでにもっと精進しておきたいと思った次第です。

日本でもどうぞよろしくお願いいたします。

ではでは、もうすぐ日本で。

かたいーぬ


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